思考の方法
養老 孟司
エッセイなぜ、人は自然の中で遊ぶ必要があるのか。 肺がんの治療を経てなお虫を追い続ける解剖学者・養老孟司は、いまの子どもたちに伝えたいことを問われ、ただ一言、「遊べ」と答えた。 自然は、社会から逃げられる場所だ。人間関係しかない世界では、いじめのような悩みに逃げ道がなくなる。 かつては山や川という別の世界があり、人の世のごたごたはそこまで追いかけてこなかった。人は人を教えられない。できるのは、経験の機会を与えることだけ。 一方、かつて長良川河口堰建設への熾烈な反対運動に取り組み、日本の河川行政を動かしてきた天野礼子。「これはダメです」と声を上げ続けた彼女は、養老孟司から「このほうがいいじゃないですか」と提案する姿勢を学び、川から森へと軸足を移した。 「虫採りは論理より感覚を大事にできる遊び」「教育の錯覚」「自然の恵みだけで楽して生きていける社会を」。虫と身体の話から社会へと問題提起を広げる養老さんの言葉を、天野礼子との対談、天野による「日本に健康な森をつくり直す委員会」ができるまでを綴る文章、モンベル会長・辰野勇氏の特別寄稿とともに読み解く。あなたが最後に川や森で遊んだのは、いつですか。
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