【POD】証券分析の最高施設 上巻
高畠 裕輔
ビジネス・実用書上下二分冊の下巻です。第18章から第34章までを収めています。 上巻では、投資家の最適化から価格を導きました。下巻は、その投資家を舞台から降ろすところから始まります。ここで置く仮定は、原理としてはただ一つーー「タダ飯はない」。ゼロの費用で、損する可能性がないまま得をする取引は存在しない。効用関数も、リスク回避度も、均衡も使いません。にもかかわらず、同じ π(x)=E[Mx] に到達します。別々の登山口から登った二人が、頂上で出会う。それが第20章です。 頂上に立ったあとは、降りる道が三本あります。x に 1 を入れれば債券の理論になり、債券価格・スポットレート・デュレーション・期間構造・信用リスクが順に現れます。x を (S-K)+ の形に曲げればデリバティブの理論になり、二項モデル、ブラウン運動と伊藤の公式、ブラック゠ショールズ理論、グリークスへと進みます。そして最後の編では、その頂上そのものを疑います。効率的市場仮説、アノマリーと行動ファイナンス、動学的資産配分。 理論の限界を隠さないのが本書の流儀です。APT は反証できない(第21章)。効率的市場仮説も検証できない(第31章)。
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