[みのるん式]ビジネスパーソンのためのClaude Code仕事術
御田 稔
ビジネス・実用書『街道をゆく』は、奇妙な紀行文だ。司馬遼太郎が日本の各地と海外を旅し、25年の長きに渡って週刊朝日に連載したこのぼう大な量の紀行文には、およそ紀行文には欠かせないとも思える、美味な郷土料理、癒しの露天風呂、大観光地の美しい景観、そして、日本人が大好きな桜の花見や紅葉狩りなどが出てこないのである。日本人にとっての旅の楽しみの、この不在ーーー。1971年からの『街道をゆく』連載時期は、田中角栄による『日本列島改造論』、土地買い占めと地価上昇、バブル景気に、その崩壊と地価の下落、そして、“住専問題”の発生までに至る激動の情勢に重なる時期である。司馬にとっての旅とは、まさにこの時代の開発、効率を優先するばかりで経済成長のみに収斂してゆく日本と共にありながら、より一歩、日本の歴史、文化の深層に足を向けることであった。彼が伝えたかったことは何だったのか。本書は、文中に出てくる「美しい」、「なつかしい」、「清らか」などの司馬独自の意味合いを含むと思われる言葉を通して作品を読み解き、その核心に迫るものである。
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