「林政ニュース」第777号
「林政ニュース」編集部
ビジネス・実用書悲しみの終わりには不在があり、 不在の終わりには実在があるのか。 ハン・ガンが3回読んだ名著『朝のピアノ』の著者が、長きにわたって書き溜めていた「愛と不在」の記録。 2018年、ひとりの美学者がこの世を去った。その死後、遺された原稿から見つかった「愛」と「別れ」をめぐるまとまった思索の断片を収録したのが本作だ。 絶筆となった前作『朝のピアノ』で見せた、死の影をも「生の輝き」へと変える透徹した眼差し。その原点ともいえる瑞々しい知性が、息づく。 ■時間をかけて熟成された、愛の解読 本書の言葉は、美学者でありながらひとりの人間である著者が、愛と別れを経験し、思考し苦悩した長い時間の集積だ。愛する人がいなくなった後の世界を、あるいは愛そのものの困難を、私たちはどう受け止めるべきか。バルザック、バルト、プルースト、カフカといった古今東西の知の巨匠たちと対話しながら、著者はその答えを自らの感覚で手繰り寄せていく。 ■日常という「聖域」に宿る記憶 著者は綴る。 〈戻って顔を洗い横になると、耐えきれない寂しさが押し寄せる。
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