春のとなり
高瀬 乃一
日本文学“その謎を解く鍵は、この本の中に記されております” 文化年間の江戸浅草。女手ひとつで貸本屋を営む≪おせん≫は、 謎があるとついつい首を突っ込んでしまい、なにかと事件を呼ぶ「本の虫」。 油の棒手振男が油問屋の総領娘の寝込みを襲ったと騒動に‼ 相思相愛だったはずの二人の関係はなぜこじれたのか? 実はおせんの貸本が関わっているらしいーー第一話「あいことば」。 借りた手鑑を返さぬと言い張る浪人。武家の争い事に首を突っ込んだおせんは、浪人が守り抜きたい秘事に気が付いてーー第二話「きれぬ縁」。 町絵師の燕ノ舎が遺した謎の美人画。違和感だらけの絵を前にして、おせんはその謎を探ることに……。悲しき結末が胸に迫るーー第三話「鶴ノ燈籠」 亡くなった主人の戯作を本にしたいと願う年増の女の面倒をみることになったおせん。しかし、その戯作には噺家となった女の息子が深く関係しているらしいーー第四話「饅頭本こわい」。他、行く末に悩む若きおせんが、貸本屋「おせん」を起こすまでを描いた表題作の「わかれ道」の全五話を収録。
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