【サイン本】森羅記 三 流星の塵
北方 謙三
日本文学海の彼方に広がる世界を、自らの目で見てみたいーー。 時宗はタケル、棚下仙多、安達泰盛らとともに大陸へ渡った。広大な草原を進み、隊商に扮し、さまざまな人々と交わっていく。商いを通じて人と土地のつながりを知り、日本とは異なる暮らしや価値観に触れるなかで、時宗の世界は大きく広がっていった。 一方、大モンゴル国ではクビライが国の基盤を整えるため、パクパを国師に任命し、アフマドに新都と造船所の建設を命じながら南宋との戦いに備える。南宋でも孟宣や賈似道らが襄樊を主戦場とする戦いを見据え、高麗では三別抄をめぐる駆け引きが続いていた。日本でも、タケルは大陸からの脅威を見据え、二千五百名を擁する船隊のさらなる強化に動き出す。やがて大陸での旅を終えた時宗は、顔に大きな疵を負って帰国する。そして、山内の最明寺で待っていたのは、老いた父・時頼との最後の時間だった。父を失い、旅を終えた時宗は、自らが背負うものと向き合い始める。海を越えた旅は、若き時宗に何をもたらしたのか。 蒙古襲来に向けて、静かに、しかし確実に動き始めていた。
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