文庫 終電の神様 台風の夜に
阿川 大樹
ミステリー人口減少が進む先にある絶望、または希望 二〇四九年の日本では、高度成長期につくられた道路や水道、橋がいっせいに寿命を迎え、人口減少により人手も、お金も足りていない状況だ。 横浜・ベイサイドの一等地に建つがわずかに傾いたタワーマンションでは、住人がたったの六人。家賃四万円で暮らすエンジニアのリリィは、アマチュア無線を通じて、同じマンションに住む謎の住人と出会う。郊外の団地では、八十六歳の彩夏がAIパートナーに「わたしは認知症なの?」と問いかける。八ヶ岳の麓に生まれた小さな村には、初めての物流ドローンが舞い降りる。九年ぶりに東京へ戻った男は、少年時代の町を巡ろうとして、自動運転タクシーに「目的地」を求められる。そして、インフラの維持を打ち切られた「閉鎖集落」を訪れたリリィは、突然の土砂崩れで外界から切り離されてしまうーー。 社会を維持しきれなくなった都会、身の丈に合わせて暮らしを作り直す地方。ベストセラー『終電の神様』の著者が、縮んでいく社会の中で、それでも続いていく人々の毎日を描く感動の連作短編集。
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