コーヒーにミルクを入れるような愛
くどう れいん
エッセイ思い出したくないものも、思い出したいものも、 思い出せるかわからないものも、たくさんあるーー。 届かない思い、行き場のない声、忘れたくない後悔を、くどうれいんは掬い上げる。 日常に不意に訪れる「やるせなさ」にそっと寄り添う傑作小説集。 〜 収録作 〜 ・A701 「ここのロッカーって番号が変だと思いませんか」 火曜朝十時。夜勤明けのわたしは、銭湯で「彼女」に話しかけるのが日課になっている。 ・紙の爪 「おどろかせちゃった、ごめんねえ」 もうすぐ定年退職する内川さんのデスクで、わたしは見てしまった。 ・昨日まで 「直ったのは、直したからですよ」 大きな揺れの前には必ず予感がある。それぞれの場所で、日常で、思い出す。 ・静かなほうの岸 「じゃあ白鳥見ますか」 サボりませんかと誘った小雪に、取引先の小川さんはそう答えた。 ・白の昼餉 「まぁ、わたしは人生で一度もさみしいと思ったことはないんだけどさ。獰猛な女だから」 知佳は甘酒とおぼろ豆腐を持って、綾子さんの家にお昼ご飯を食べに行く。
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