(新装版)つきあってはいけない
平山 夢明
日本文学ジークフリートは、ゲルマン・ドイツの伝説に登場する英雄です。竜を退治した際に、その血を浴びて「不死身の肌」になりましたが、背中にある唯一の急所を槍で刺されて暗殺されることで知られています。一方、ジークフリートは、ニーベルンゲン族を倒してその財宝の所有者となったことから、「ニーベルンゲン伝説」の英雄の一人でもあり、本書の表題に掲げられた「ジークフリート伝説」とは、さまざまな物語を含むニーベルンゲン伝説の中で、とりわけ英雄ジークフリートの冒険と暗殺を扱った部分を指す名称です。 ニーベルンゲン伝説の原型は、五〜六世紀のゲルマン民族大移動の時代まで遡り、現在のフランクフルト西方にあたるライン河畔フランケンの領土で英雄歌謡の形で生成したと考えられています。その後、北欧に伝承され、『歌謡エッダ』、『散文エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』、『ティードレクス・サガ』などに記される一方で、ドイツ南方のバイエルン地方から現在のオーストリア地方にあたる東方にも伝承され、一三世紀初頭には英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』が成立することになります。
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