祝日集
小野寺 史宜
日本文学ネオンの揺らめきのように、時々に移ろう人の心。色とりどりの灯りも、いつか夜の中に溶け込んでいく 僕には父親がいない。いや、その言い方は正確ではないかもしれない。それに近い人は3人いる。生物学上の父、母が結婚したことによってできた父、そして僕が結婚したことによってできた父、だ。 その3人との関係は悪いわけではない。僕が働く喫茶店『銀』は実父の滝田銀次がオーナーだ。2人の義理の父も『銀』にやってきた。ほかにも、泰明小学校銀座中学校の同級生、その子ども、同級生の教え子、義理の姪、会ったことのなかった姉も店にきた。一杯のコーヒーを求める理由はさまざまだ。そして仁美もまた、閉店間際に店を訪れ、あの夜のことと、これからの決意を語り出したーー。 銀座の夜のうた 目次 一月 銀 二月 青 三月 黄 四月 紫 五月 黒 六月 灰 七月 緑 八月 茶 九月 金 十月 赤 十一月 白 十二月 銀
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