吉川英治 大活字本シリーズ 新書太閤記 第5巻 あらすじ|秀吉、美濃攻略へ
文:新刊日和編集部 | 2026/10/1
吉川英治 大活字本シリーズ 新書太閤記 第5巻 あらすじ
本記事では、2026年9月28日に三和書籍から刊行される『吉川英治 大活字本シリーズ 新書太閤記 第5巻』のあらすじを軸に、この巻で描かれる藤吉郎の飛躍と、織田軍の美濃攻略の最終局面を整理していきます。あわせて、同じ大活字本シリーズとして順次刊行されている第1巻から第4巻までの流れも振り返り、物語のどこに位置する巻なのかがつかめる構成にしました。
第5巻は、洲股築城の成功、竹中半兵衛との出会い、「秀吉」の名を賜る場面、そして稲葉山城への進軍までが収められる巻です。シリーズを通して読み進めている人はもちろん、この巻から物語の山場に触れたい人にも参考になるように、各巻のあらすじを資料の範囲でまとめています。
第5巻で描かれる藤吉郎の飛躍――洲股築城と「秀吉」の名
第5巻の中心となるのは、織田信長による美濃攻略が本格化していく局面です。これまで織田家の中で少しずつ頭角を現してきた藤吉郎は、この巻で誰も成し得なかった洲股築城を成功させ、その卓越した才覚を信長に認められることになります。
洲股築城は、単に城を建てるという話にとどまりません。持ち前の交渉力で次々と人材を味方につけていく藤吉郎の姿が重ねて描かれ、後に天下取りを支える名軍師・竹中半兵衛との出会いもこの巻で訪れます。半兵衛という知略の持ち主を得たことで、藤吉郎は織田軍の中での存在感をさらに高めていくことになります。
そして、こうした功績が認められ、藤吉郎は信長から「秀吉」の名を賜ります。物語の主人公が新しい名を与えられる場面は、この長編の中でも大きな節目です。名を変えることは、単なる呼び名の変化ではなく、織田家の中で担う役割と立場が一段上がったことを示しています。
美濃攻略の最終局面――稲葉山城への進軍
功績を重ねた秀吉を軸に、物語は斎藤氏の本拠・稲葉山城へと進んでいきます。美濃攻略はいよいよ最終局面を迎え、織田軍の天下取りに向けた流れが大きく動き出す巻です。
秀吉は知略と行動力を武器に、織田軍の進撃を支えていきます。これまでの巻で積み上げてきた交渉力や人材を見る目が、ここで具体的な形となって戦局に影響していく点が読みどころです。稲葉山城をめぐる攻防は、美濃という土地を手中に収めるための総仕上げにあたる場面であり、シリーズの中でも緊張感の高いパートになります。
大活字本シリーズとして刊行されているため、文字が大きく組み版されており、長編を自分のペースで読み進めたい人に向いています。価格は3800円、ISBNは9784862516466です。
この巻から読み始めても大丈夫か――前巻までの流れ
第5巻は、藤吉郎が秀吉へと名を変え、織田軍の中核へと歩み出していく巻です。ここから読み始めると、洲股築城や半兵衛との出会い、名を賜る場面は追えますが、日吉丸としての幼少期や信長に仕えるまでの経緯は第1巻から第2巻に収められています。
人物の関係や立場の変化を追うなら、第1巻から順に読むほうが流れをつかみやすくなります。逆に、美濃攻略の山場を先に読みたい場合は、第5巻を単独で手に取る読み方もできます。
シリーズの流れを振り返る――第1巻から第4巻まで
第1巻(2026年5月1日刊行)
『吉川英治 大活字本シリーズ 新書太閤記 第1巻』は、第一文冊と序文を収載した巻です。後の天下人となる豊臣秀吉の幼き日の名は日吉丸であり、尾張の貧しい農家に生まれたところから物語が始まります。父を早くに亡くし、母のもとで厳しく育てられますが、自由奔放な気質から村人たちに「うつけ者」と蔑まれるようになります。
商家や寺に身を寄せても長続きせず、行く先々で肩身の狭い思いをする中、日吉丸は己の進むべき道を侍の世界に見出していきます。後の天下人へと至る物語の序章として、原点と野心の息吹が描かれる巻です。価格は3800円、ISBNは9784862516428です。
第2巻(2026年6月16日刊行)
第2巻は第一文冊の後半を収載し、主人を転々と変えながらも機転と人懐こさで乱世を渡り歩く日吉丸が描かれます。やがて革新的な気質を持つ織田信長に仕えることを決意し、自ら「木下藤吉郎」と名乗って新たな人生を切り拓いていく流れです。身分も後ろ盾も持たない一介の若者でありながら、痛快な活躍によって次第に頭角を現していく姿が収められています。価格は3800円、ISBNは9784862516435です。
第3巻(2026年7月31日刊行)
第3巻では、寧々と結婚を約束し、前田犬千代との親交も始まり、信長の家臣としてますます成長する藤吉郎が描かれます。一方で信長は尾張統一を進める中、今川義元との決戦が避けられない情勢となり、今川方に属する松平元康(のちの徳川家康)も登場します。敵味方、両軍の視点で臨場感あふれる駆け引きが描かれ、藤吉郎と寧々の婚約から桶狭間の戦いを目前にした作戦までが収められる巻です。
価格は3800円、ISBNは9784862516442です。
第4巻(2026年8月28日刊行)
第4巻は、今川義元が大軍を率いて上洛を開始し、織田家に滅亡の危機が迫る場面から始まります。誰もが敗北を予想する中、信長は冷静に機を待ち、藤吉郎もその大胆な戦略を信じて従います。豪雨を味方につけた奇襲によって桶狭間の戦いが起こり、義元は討たれます。その後、藤吉郎は敵国を巡り、寧々との結婚を祝う席も設けられます。
桶狭間の戦いと、藤吉郎が紡ぐ寧々や仲間との絆が描かれる巻です。価格は3800円、ISBNは9784862516459です。
吉川英治の他の作品――『源頼朝(第5巻)』
同じ吉川英治による作品として、響林社から2026年5月1日に刊行されている『源頼朝(第5巻)』があります。ISBNは9784865743241で、価格は資料上では確認できません。源頼朝を題材にした長編の第5巻にあたる書誌で、今回紹介した『新書太閤記』とは異なる時代と人物を扱った作品です。
まとめ――どの巻から手に取るか
『新書太閤記 第5巻』は、洲股築城の成功、竹中半兵衛との出会い、「秀吉」の名を賜る場面、そして稲葉山城への進軍までを収めた巻です。藤吉郎が織田軍の中で役割を大きくしていく過程を追いたい人に向いています。
物語の原点から順を追いたい人は第1巻から、桶狭間の戦いを経て美濃攻略の山場へ向かう流れを一気に読みたい人は第3巻から第5巻へと進む読み方があります。大活字本シリーズとして文字が大きく組まれているため、長編を無理なく読み進めたい人にも取り組みやすい構成です。時代や題材を変えた作品を読んでみたい場合は、『源頼朝(第5巻)』もあわせて手に取ってみてください。