'26-'27年度版 ひとりで学べる 調剤報酬事務&レセプト作例集
青山 美智子
ビジネス・実用書本書は、アスベスト被害の現実、労災認定までの道のり、そして家族で見送る時間の尊さを、介護日記を軸に綴った記録です。 「病院はいやや」 その一言から、家族の看取りが始まった。 夫を苦しめたのは、仕事がもたらした病、悪性胸膜中皮腫だった。配管工として六十年近く現場一筋だった夫は、長い年月のなかでアスベスト(石綿)を吸い続けていた。病名がわかったとき、治療はもう難しいと告げられる。 著者は、夫の「病院はいやや」という言葉を聞き、心を決めた。住み慣れた家で、家族とともに最期の時間を過ごすこと。そこから、一年六か月の日々が始まる。 涙ばかりの日々ではなかった。手をにぎり、笑い、孫の声に救われる瞬間が、たしかにあった。最期の日、夫は子どもと孫たちに囲まれて息を引きとった。病院では叶えられなかった、自分らしい時間だった。 広島出身の祖父が繰り返していた言葉がある。 「和美、生きるも地獄、死ぬるも地獄や」--それでも、生きる。
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