Cosmo Intelligence - 観測者の迷宮
久保田ようじ
日本文学天国にもっとも近い町で、人が壊れはじめた。東海の山間に拓かれた人工都市・葭井草タウン。開町五周年を迎え、千人の住民が穏やかに暮らすこの町で、事件は起きた。誰からも慕われていた老婦人が、笑いながら自らの顔をアスファルトに削り取ったのだ。前後して、子どもたちが授業中に姿を消し、別の場所に忽然と現れる怪現象が続発する。スクールカウンセラーの有川未來は町の異変を追い、モールの清掃人・四股力二十五は亡き母の声に導かれて北の山へ登る。やがて浮かび上がるのは、町の創設者にして人工眼球を独力で完成させた天才科学者・狗城皇一の姿だった。彼が地下で進めていたのは、ナノデバイスによって全住民の脳を結び、裏切りも嫉妬もない〈完全な世界〉を築く実験ーー。暴走した町は暴動と自壊へ突き進む。未來と二十五、十歳の少女・真凛。三人は千人の町を救えるのか。孤独な天才の夢が生んだ地獄を描く、戦慄のSFホラー長編。
※最新の価格・在庫は各販売サイトでご確認ください。
色のついた日に新刊があります。日付をクリックでその日の新刊一覧へ。前月・翌月もたどれます。