捨てた紙、捨てられない紙
スズキナオ
エッセイ食べられなくなった、傷が治りにくくなった、寂しくなった。 ポジティブな目標なしで、どう生きていくかーー。 なんと平凡な中年だろうかーー。 缶チューハイ片手にふらっと散歩が趣味の、中年フリーライター。 歳を重ねるにつれ寂しさが積もる日々を綴る、書き下ろしエッセイ。 親戚一同が集い、伯父と伯母の金婚式を屋形船で祝った日の夜、父から渡された席順表。いつかこの紙を見てこの日のことを思い出すかもしれないと、リュックにしまった。「そしてまた、捨てられない紙が増えていく」より 暗い話ができる友人が久しぶりに会えるはずだった日の朝、突然亡くなった。今でも不意に電話がかかってくるような気がする。--「ずっと会えなかった人からの電話」 息子がキャプテンを務める小学校のミニバスケチーム最後の公式戦を観戦。息子のチームがブザービートで勝ったのを見届けた帰り、発泡酒を飲みながらどんどん涙が出た。「ずっと忘れられない試合を見た」より ライターとして飲食店を取材するという仕事があるけれど、最近、急激に食べられる量が減ってしまった。
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