小公女たちのしあわせレシピ
谷 瑞恵
日本文学一匹の犬のお伊勢参りが、かたい心をほどく 「この子は『おかげ犬』で、名前はシラタマです。人の言葉がわかるかしこい子です。どうか、お伊勢参りを手伝ってやってください。貴方にも御利益があると信じております」 飼い主の手紙を携えて、たった一匹で、お伊勢参りの旅を続ける白い犬、シラタマ。江戸時代、飼い主に代わってお伊勢参りをした「おかげ犬」という犬たちがいた。シラタマは、現代によみがえったおかげ犬なのだ。 恋人に置き去りにされた女性、死を覚悟した老夫婦、母を失った少女、行方不明の息子を捜す母親、そしてーー。 旅の途中でシラタマが出会うのは、それぞれに行き場のない思いを抱えた人たち。人なつこいこの白い犬とふれあううちに、固く閉ざした心が少しずつほどけ、誰もが「これが真実だ」と信じていたことの奥に、思いがけないもうひとつの真実が見えてくる。 飼い主とは、何者なのか。なぜ、この子をたった一匹で旅立たせたのか。 謎がほどける。心がほどける。涙こぼれる連作小説。 --前に進んだ分、未来も変わる。
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