「聞く耳」を持ってもらう技術
福原泰知
ビジネス・実用書前説もイントロも無く、呼んだ相手も目的もわからないままに『樹天馬』は見渡す限りの草原にただ立っていた……。 記憶は曖昧で、明確なのは履歴書に書いていそうな基本的な情報のみ。だが、諦観的ともとれる彼は、それはそれで仕方がないと割り切り、この異世界と思しき世界の探索と序盤の醍醐味を堪能していく。ステータス、スキル、不明なアイテムの鑑定……等々、興味が尽きない。 そんな不羈奔放な彼の目に、商人の護衛任務中にゴブリンと遭遇してしまった冒険者一行、という光景が入ってくる。 流れで加勢した天馬は、事なきを得た冒険者パーティ『大蛇』とともに城塞都市ゴメナを目指し、まずは冒険者となってこの世界に馴染もうとする。 こうして天馬のあてどない物語は緩やかに動き出すのだった……。
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